一閑張りとは
一閑張りとは簡単に云えば 竹かごなどに和紙を幾重にも貼り重ね、布などで装飾し柿渋を塗って仕上げた民芸品です。 軽くて丈夫柿渋の効果で防虫効果及び防水効果もあります。ものによっては高値で取引されているものもあります。
その一閑張り作りを教えていただく機会があり、 その教えをもとに作品をいくつか作っています。
初めは素材の扱いに慣れず苦労していましたが、今は楽しんで作れるようになりました。 楽しいのは作品のイメージを膨らませながら素材を選んでいる時。 まさに素材との出会いによって全く違った個性的なものが出来上がるのが喜びでもあり醍醐味でもあります。作品が完成するまでに最短で二日ほどかかります。 素材を選ぶ時間を加えるともっと長くなります。
作り始めるとはまってしまう
作るほどに欲が出てしまい無謀なチャレンジをすることもあります。 作品作りの参考にネット上の作品を見ていると、これどうなってるんだろうと思いを馳せてしまいます。 素敵だなと思ってもそのように作ることがなかなか難しいのが一閑張りだと思います。 それゆえ世界にひとつだけの作品という魅力があります。かごのサイズによっても仕上がりの印象は全く違いますし使う布や持ち手のタイプによっても印象がかなり変わってきます。
手作りゆえの一点もの
今年の母の日と父の日には それぞれに作品を作ってプレゼントしました。 今まではプレゼントには市販のものを贈っていたので、自己満足ですが心のこもったプレゼントになったかなと思っています。
なかなか作ってみようと思うものではありませんでしたが、材料さえ揃えばなんとかできるものです。ただ、一度きちんと教えていただく機会があると満足度が上がると思います。
美しく仕上げるには基本が大切
私の場合は福島県の渡辺恵美子先生ご夫妻が開いてくれる教室に参加することができてとても良い体験になりました。 何しろ先生方の人柄が最高です。 また長い時間での教室のためお友達もできました。機会があったらまた参加したい教室です。 作るより先生に会いに行きたいというのが本音です。
会場は栃木県の那須塩原市にある笠間屋さんの一画です。非売品となりますが渡辺先生の作品も展示されていてとても参考になります。 また竹かごや 持ち手に使う紐や和紙それから柿渋やのりも揃うありがたい存在です。一つ作るとまた作りたくなる、もっと別のものが作りたくなる、材料が次々欲しくなるそんな不思議な一閑張り。
作品作りだけではない魅力
一閑張りを通して得ることができた物がたくさんありました。着物を着る機会が少なくなっている今、布に対しての知識があまりありませんでした。 手芸店に行くこともほとんどありませんでした。 たくさんの素材を前に何10分も悩むこともありませんでした。 和紙を探し求めるために車を長距離走らせ探し回ることもありませんでした。 メルカリを使って買い物をすることもありませんでした。 たくさんの初めてを一閑張りが教えてくれました。少しずつ自分を映すような作品をこの先も作っていくのだろうなと思います。
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